前文
アジア太平洋戦争中、日本に強制的に連行された約40,000名の中国人らは過酷な労働を強いられ、非人間的な処遇のもとで7000名が死亡するという不正義が行われた。
私たちは、この中国人強制連行・強制労働の歴史的事実を直視し、被害者及びその遺族の人間としての尊厳が回復されることを願い、被害者及びその遺族に対し 謝罪し補償するとともに、その歴史的教訓を後の世代に継承することによって日中両国民の信頼関係を醸成し、未来にわたって日中両国間の恒久平和を構築する ために本基金を設置する。
第1 基金の目的
本基金は、補償基金により戦前日本に強制連行・強制労働された被害者及びその遺族に対して補償金及び弔慰金を支給し、未来基金により日中両国民の将来にわたる友好関係を築く事業を推進することを目的とする。
第2 基金の拠出主体及び基金財産
- 本基金は、日本国及び日本企業が拠出する。
- 本基金の充実のために第三者からの寄附を受け入れることができる。
- 本基金の規模は、第4以下の事業を行うのに十分な規模とする。
第3 機構
- 本基金を管理し運営するために、管理委員会及び運営委員会を設置する。
- 管理委員会は、日本国政府、中国政府、日中両国NGOから任命された委員により構成され、基金運営全体を統括し、運営委員会の業務を管理する。
- 運営委員会は、日本及び中国に設置され、被害者の認定、補償金等の支給、未来基金にかかわる業務を実施する。
- 管理委員会及び運営委員会の費用は、本基金から支出する。
第4 基金の内容
- 本基金は、
- 補償基金
- 未来基金
- 補償基金及び未来基金の内容は、次のとおりである。
- 補償基金
- 被害者本人への謝罪の証としての補償金の支給
- 被害者の遺族への弔慰金の支給
- 未来基金
- 中国人強制連行・強制労働の実態等を調査・研究・発表し、記念館及びモニュメントの建設など後の世代に継承するための事業
- 日中両国民の相互交流・対話、とりわけ青少年の交流・対話を通じて恒久平和を確立していく事業
- 補償基金
第5 補償基金-補償金及び弔慰金の支給
- 性格
被害者本人への補償金及びその遺族への弔慰金は、被害者に対する真摯な謝罪の証として支給するものである。 - 支給額(注:補償金及び弔慰金の支給額は、戦後補償関連の問題の解決のために日本政府が給付した金額や日本の財政事情などを総合的に考慮して決める。)
- 被害者本人への補償金は 円とする。
- 被害者遺族への弔慰金は 円とする。
- 支給対象
- 補償金及び弔慰金の支給対象は、事業場報告書及び外務省報告書で特定されている38,935名の被害者及び日本への強制連行・強制労働被害者と認定された者並びに被害者の遺族とする。
- 被害者の認定は、中国の運営委員会が行う。
- 支給方法
被害者補償金及び遺族弔慰金の支給は、中国の運営委員会が行なう。
第6 未来基金
未来基金の事業は、管理委員会がその内容を決定し、日本及び中国の運営委員会が実施する。
2004年5月
- Newer: 中国人強制連行・強制労働補償基金解説
- Older: 新潟港中国人強制違行・強制労働事件新潟訴訟の経過
