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中国人第二次大戦時被害労工法律援助団声明

2010年4月26日、日本の西松建設株式会社は、西松建設の信濃川事業所に強制連行し強制労働をさせた中国人労工代表と東京簡易裁判所にて和解した。中国人第二次大戦時被害労工法律援助団は本件和解が重要な歴史的意義を有する和解であると考える。第一に、本件和解が、その協議過程において広範な労工及び遺族の意見を取り入れ、事情を知らない労工の権利が制限されるといった事態を排除したこと。第二に、本件和解の成立が、歴史的前進と実現可能性との両側面から見て、中国人強制連行問題の全面解決の実現に向け極めて重要な役割を果たすものであるということ。

中国人第二次大戦時被害労工法律援助団は労工聯誼会の委任を受け中国人強制連行問題の全面解決のための法律援助を担っている。鄧建国団長は中国人第二次大戦時被害労工法律援助団を代表し、このたびの和解成立をうけ以下の通り声明を発表する。

一、和解の主体の広範性に進歩的意義がある
本件和解は、信濃川事業所の5名の労工代表と西松建設株式会社とが成立させたが、本件和解により信濃川事業所にて苦役した183名の問題解決を目指すことになった。和解条項の最終稿は発見された労工及び遺族の大多数の同意を得て確定された。これは歴史的に見ても最も広範な被害労工及び遺族により同意を得た和解である。

二、西松建設は本件和解で加害事実と責任を認め謝罪した
本件和解の最も重要な意義は、西松建設が中国人強制連行・強制労働の歴史事実を認め、歴史的責任のあることを認め、深く反省し、信濃川案件における被害者およびその遺族に対して謝罪の意を表明した点にある。法律援助団は、西松建設株式会社が会社の責任を認めたという部分の態度については、積極評価をできるものと考える。この謝罪は歴史上の大きな突破であったと考える。

三、本件和解で賠償金の性質と地位が明確になり、用途がより合理的となった
本件和解で、1億2800万円の解決金が支払われることが確認された。この解決金の金額は中国人労工が日本に請求してきた賠償額を基準としてはいない、謝罪の意の表わしであり、問題解決するために支払われる金額である。その用途は、一つはすでに発見されている被害労工の賠償金であり、二つは未だ発見されていない労工の調査費や慰霊・追悼及び信託金管理費等である。法律援助団は、本件解決金の含意はこれまでの和解事案の和解金のそれとは異なると考える。金額は労工らが西松建設に請求してきた賠償額には不足するが、この事業所を基準に、日本政府と他の企業が責任を果たせば、解決の途が拓かれる。したがって、弁護団と信濃川労工は西松建設に提示された賠償金額を受け入れることで意見を一致させ、重大な譲歩をした。
四、 本件和解では中国人被害者の強い要望により中国の基金組織が基金管理組織となった

本件和解では中国人権発展基金会が和解基金の管理組織となり、管理委員会により運営される。中国人権発展基金会は中国国内において最も権威ある基金管理組織であり、基金管理の職責を担い和解基金管理の新たなモデルとなり、公平・公正・公開の原則に従い基金を管理しうる組織であると法律援助団は考える。中国の基金管理組織により和解基金が管理されるという点は、中国人労工が要求してきた重要な内容であり、和解の目的の最終実現の保障である。

五、 各方面での不屈の交渉により、労工代表は確認書という形式で日本最高裁判所の判決を労工が認めていないということを確認した
中国人第二次大戦時被害労工法律援助団及び労工聯誼会、信濃川分会は西松建設に対し、歴史的責任を認めるのであれば、法的責任も認めるべきであるとの主張を堅持してきた。しかし西松建設は最高裁判所の判決を理由に、法的責任の記載を拒否した。そこでこの和解条項の署名後に確認事項として中国人労工が日本最高裁判所の判決の効力を認めないことを確認し署名した。そしてこれは中国政府が、日本最高裁判所が判決を言い渡した後に表明した明確な立場でもある。この確認書は和解条項と同等の法的効力を有するものである。

中国信濃川労工と西松建設株式会社との間で和解が成立したことに鑑み、法律援助団はその法的効力を認め、歴史的意義を肯定する。本件和解の成立は、中国人労工および遺族が不断の努力を続けた結果であり、中国人労工聯誼会と中日両弁護団が原則を堅持し、西松建設に譲歩させた結果である。そして長きにわたり各界の友人の皆さまが支援をして下さった結果である。本件和解の成立は被害労工の利益を護り、日本による侵略戦争中の他の遺留問題の解決を後押しするものであり、健全で安定した中日関係の発展を促すものである。中国人強制連行問題の全面解決の責任は重大で前途は遠い。中国法律援助団は弛まぬ努力を続け中国人強制連行問題の全面解決が実現されるその日まで闘うことを表明する。

中国人第二次大戦時被害労工法律援助団
団長:鄧建国
執行団長:傅強
2010年4月26日

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