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日本に強制連行された中国人労工聯誼会 信濃川分会声明

「日本に強制連行された中国人労工聯誼会信濃川分会」代表5名は日本の弁護士に委任し、西松建設株式会社と和解に向けて交渉を行ってきたが、本日東京で和解が成立した。強制連行・強制労働問題の全面解決に向けた小さな一歩ではあるが、この歴史遺留問題の解決を推し進める過程において、十分に積極的意義のある和解であると考える。この歴史遺留問題の解決が、中日両国民に両国間の歴史に共に向き合わせ、両国の真の信頼と友好関係の構築に寄与し、それによりアジアの共栄と世界平和へと発展しゆくものであると考えるからである。

私たちがこのたび西松建設と和解したのは、西松建設が第二次大戦中の中国人強制連行・強制労働問題について「事実として認め,企業として信濃川案件における被害者およびその遺族に対して歴史的責任のあることを認めて.深く反省し謝罪の意を表明する」との基本的姿勢を示したからである。

中国人被害労工は日本の弁護士に委任し、十数年におよぶ裁判闘争を続けてきた。私たちが追求してきたものは何か。それは加害者が事実を認め謝罪すること、歴史を教訓とし未来に向かっていくことに他ならない。第二次大戦末期の僅かな期間に、約4万人の屈強な中国人のうち約7000人が虐待の末に命を落とした。この数字だけを見ても、労工らがどれほど過酷な環境に置かれ、非人道的な待遇を受けていたかが分かるだろう。65年後の今日、訴訟等の闘いを通じて私たちはこの歴史を世の中に知らしめた。この痛ましい教訓を人類の記憶として残すため、歴史の悲劇を繰り返さないため、そして自らの正義を証明するためである。

これまでの他の和解案件と比較しても、このたびの和解には多くの面で進歩があると私たちは考える。とりわけ、双方代理人が「確認事項」において、日本の最高裁判所が加害側の法的責任を否定したことについて、本件当事者である労工らはそれを受け入れてはいないことを明確にしたことと、信濃川平和基金が中国の機関に信託されること、それにより被害者側主導による透明性ある基金運営の条件が得られたことである。

本件和解は、その交渉過程において大多数の信濃川被害労工および遺族の賛同を得た。このたびの和解の達成は、存命の被害労工らを慰めるものである。自身の権利のために闘った成果を存命中に得ることができ、人類社会に正義と希望を見出すことができたのである。

このたび西松建設との和解が成立したが、しかしそれは私たちがこのたびの和解条項に完全に満足をしていることを意味するものではない。数年前にドイツで「記憶・責任・未来」基金が設立され、第二次大戦中の労働者らに補償がなされた際のドイツ社会の歴史認識と比較すれば、まだ遠く及ばない。しかし、西松建設は日本の多くの加害企業のうちの一社として率先して加害事実を認め、企業としての責任を認識し、謝罪の意を表明した。故に私たちはそれを受け入れ、歓迎すべきであると考えた。

和解の金額について、私たちは、中国人労工が当時、その精神と身体に受けた被害や、それにより失われたかけがえのない生命を、金額に計算して表すことなどできないと考える。どのような金額によっても賠償することはできない。西松建設が本件和解で支払う金額は確かに低く、それについては遺憾ではあるが、西松建設が会社として謝罪の意を表明したことは肯定すべきであり、それを受け入れたいと考えた。

私たちは他の加害企業に、そして中国人強制連行・強制労働を主導した日本政府に、人道に背いたあの歴史に向き合う勇気を持っていただきたい。そして中国人被害者に対し、また国際社会に対し明確に釈明をしていただきたい。それを経てこそ、歴史に正義と公平が取り戻され、中日間に真の友好が築かれる。

本件和解は幾度もの交渉を重ね、困難な局面を経てようやく成立した。中国人被害労工のために十数年の裁判を続け、不撓不屈の精神で闘い続けてこられた日本中国両国弁護団、全力で私たちの闘争を支援し続けて下さった日本の支援団体、ここに深く敬意と感謝の意を表したい。皆様の貢献は人類の良心と勇気を体現した。皆様は艱難辛苦を乗り越え、亡くなった信濃川被害労工の魂を安らかにし、中日友好を促進し、そして強制連行事件という歴史遺留問題を全面解決する私たちの意志を堅固なものにした。私たちは引き続き共に進み、最終目標の達成されるその日までこの闘いを終えることはない。

日本に強制連行された中国人労工聯誼会信濃川分会
2010年4月26日

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