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劉連仁訴訟について

弁護士 高橋 融(1996年6月9日)

私たちは、今年(1996年)3月25日、中国人強制連行の責任を問う第一陣の訴訟を、原告劉連仁、被告国と言う形で東京地方裁判所に提起した。

この事件の特徴は、

  1. 事件の前半は典型的な強制連行事件であるが、後半は原告の劉連仁氏が終戦直前に監禁されていたタコ部屋から逃亡し、戦後13年間も北海道内の山中に隠れて いたこともあって、戦後に国が果たすべきであった劉連仁に対する保護・救援の責任をも問うことになる点で特徴的なものになる。
  2. この責任を問うためにはどうしても戦前の同氏に対する国の行為の評価を行わざるを得なくなるので、このことを通して、現在戦争中の政府の行為については国 家無答責の抗弁により事実関係に関する答弁さえ行わず、実体審理に入れないでいる先行訴訟の困難を、迂回する形ではあるが打開する役割を果たすことができ る可能性がある。
  3. 被害は、当時劉連仁氏が監禁・労働させられていた昭和鉱業所の持ち主であった明治鉱業株式会社が清算結了し、消滅しているため国のみとせざるを得なかったが企業の責任を免罪するものでないことは、今後の証拠の積み上げにより明確にできる。
  4. 中国人強制連行事件については、終戦直後外務省が行った詳細な調査報告が残されており、具体的に連行された本人の写真をつけた個別事業所の報告がある、ことなどである。

この事件の解明を通して、中国人強制連行については原告個人及びその他の被害を受けた中国人と各企業のつながりをも含めて、その実態が疑いの持ちようのな い形で明確にすることができる。これが現在は一切の資料がないことを理由に頑なに責任をとることに門を閉ざしている各企業に対し、全面的な責任を問う突破 口になるであろう。そしてこれについて目と耳をふさぎ、口をつぐんでいることが道義上できない形で明確にされ、全体の問題解決のための重要な糸口になるは ずである。

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