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中国人強制連行・強制労働訴訟における福岡高等裁判所の和解所見を真摯に受け止め今こそ国と企業は、全面解決の決断を!

2008年4月25日

中国人強制連行・強制労働事件全国弁護団
団長 弁護士 高橋 融
幹事長 弁護士 松岡 肇
事務局長 弁護士 犀川  治

1  福岡高等裁判所第2民事部(石井宏治裁判長)は、4月21日、中国人強制連行・強制労働福岡二陣事件の進行協議期日において、当事者双方に対して和解に 関する所見を提示し、本件を和解によって解決を図るべきであるとの意向を示し、国及び企業(三井鉱山、三菱マテリアル)に対し、和解による解決への前向き の配慮を求めた。

2 これは、中国人強制連行・強制労働西松事件において、2007年4月27日、最高裁判所が、原告らの個 人請求権について裁判上請求することはできないとしつつも、事案に鑑みて、「上告人(西松建設)を含む関係者において、本件被害者らの救済に向けた努力が 期待されるところである」と付言したことを踏まえたものである。

われわれ全国弁護団は、裁判上の請求はできないとする最高裁判所の判断を断じて受け入れることはできない。しかし、今回の福岡高裁の所見は、最高裁の上記付言を踏まえ、裁判所が被害救済に向けて一定の役割を果たそうとするものであり、われわれはこれを高く評価する。

3 福岡高等裁判所の第4民事部も、中国人強制連行・強制労働長崎事件において、同じく国および企業に対して、和解解決の勧奨を行っており、福岡高裁宮崎支部も、中国人強制連行・強制労働宮崎事件において、同じく和解解決を勧奨するものと思われる。

まさに、当該個別事件にとどまらず、中国人強制連行・強制労働事件全体を最終解決すべき時期に立ち至っている。

4 福岡高裁所見は、次の理由を挙げて、国及び企業に対して和解解決への前向きの配慮を求めている。

  1. 本件強制連行・強制労働は、国策として遂行されたものであること
  2. 企業は、労働力の利用自体によって相当の利益を受けた上、補償金まで取得していること。
  3. 被害者らの被った精神的・肉体的苦痛は言語に絶するほど大きなものであったこと。
  4. 裁判上訴求する権能を失ったことについては、当然ながら被害者らの意向が反映しているものとは認められないこと。

上記事情は、福岡二陣事件にとどまらず、全国で争われている、あるいはまた、すでに訴訟を終えた中国人強制連行・強制労働事件すべてについて共通する。

5  福岡高裁所見は、福岡二陣事件の当事者である三井鉱山、三菱マテリアルは当然のこと、強制連行・強制労働に関与したすべての企業に向けられたものであ り、すべての企業はこの勧奨をわがこととして、中国人強制連行・強制労働事件全体の全面解決に向けて歩を進めるべきである。

また、福岡高裁所見は、最高裁の付言ともども、日本政府に対して、新たな政治的決断をなすことを求めている。中国人強制連行・強制労働事件は、西松事件最 高裁判決の後も、なお日中間の「戦争遺留問題」のひとつであり、日中友好の上でも何らかの形で解決しなければならない政治的な課題である。中国と戦略的互 恵関係構築を誓う日本政府として、今、新たな政治判断が求められている。

6 われわれ中国人強制連行・強制労働全国弁護団 は、原告、被害者聯誼会など中国側関係者とも協議しながら、2004年5月、日本政府と加害企業が事実を認めて謝罪し、その証として、日本政府および企業 などの拠出による基金を設けて、被害者の救済と事実の研究と承継、日中交流の事業を進めるべきであるとの解決構想を発表している。

これは、2000年に、ドイツ連邦政府及びドイツ企業団の出資により、かつての強制労働の被害者に補償金を支払うことなどを目的として設立された「記憶・責任・未来」財団の経験に学んだものである。

国および企業が、最高裁付言および今回の福岡高裁所見にもとづき、中国人強制連行・強制労働事件の解決について、自主的・自発的に、真摯に検討すること、とりわけ、われわれ弁護団が提言している基金による解決に向けて取り組みを始めることを強く求める。

われわれは、各界各層の良識ある方々に広く訴えて、この機会に中国人強制連行・強制労働問題を全面的に解決することを求める大運動を展開する所存である。

連絡先:〒105-0003
東京都港区西新橋1-20-3 虎ノ門法曹ビル302
中国人強制連行・強制労働事件全国弁護団
事務局長 弁護士 犀川 治

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