1、福岡高裁(裁判長石井宏治)は、4月21日、中国人強制連行・強制労働福岡二陣訴訟事件の進行協議期日において、原告、被告国及び企業(三井鉱 山、三菱マテリアル)に対し、全面解決についての裁判所の見解を示して、被告国、企業らに対し、解決に向けて原告側と真摯な協議を行なうことを求めた。
2、所見は、いわゆる日中戦争の遂行中に生じた中華人民共和国の国民の日本国又はその国民若しくは法人に対する請求権に基づく裁判上の請求が認められない ことは最高裁判決の示すところであるとしながらも、下記の理由をあげて、本件問題が解決しなければならない問題であるとの裁判所の見解を明らかにした。
- 本件強制連行・強制労働は、国策として遂行されたものであること
- 企業は、労働力の利用自体によって相当の利益を受けた上、補償金まで取得していること。
- 被害者らの被った精神的・肉体的苦痛は言語に絶するほど大きなものであったこと。
- 裁判上訴求する権能を失ったことについては、当然ながら被害者らの意向が反映しているものとは認められないこと。
3、福岡高裁の上記所見は、2006年4月27日の中国人強制連行・強制労働西松建設事件の最高裁判決における「上告人(西松建設)を含む関係者におい て、本件被害者らの救済に向けた努力が期待されるところである」との付言を踏まえたものであり、裁判所が被害救済に向け一定の役割を果たそうとして、事件 当事者に和解解決について前向きの検討を求めたものであり、高く評価されるべきである。
4、 我々は、既に発表している基金による全面解決提言を基本として、原告・中国人被害者らと協議の上、裁判所に対して「解決案」を提示する予定である。
我々は、昨日の福岡高裁の所見を受けて、引き続き全国各地の中国人強制連行・強制労働事件の原告団・弁護団らと連帯し、中国人強制連行・強制労働事件の全面解決のために、国と企業による「基金」の創設をめざして全力を尽くすことをあらためてここに決意するものである。
2008年4月22日
中国人強制連行・強制労働福岡二陣訴訟事件
弁護団長 小野山裕治
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