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中国人強制連行福岡訴訟第2陣控訴審判決要旨

1主文の要旨

  1.  本件控訴をいずれも棄却する。
  2.   控訴人らの当審における新たな請求をいずれも棄却する。

2理由の要旨
(1)被控訴人らの控訴人らに対する強制連行・強制労働による不法行為及び安全配慮義務違反について

被控訴人らの強制連行・強制労働による不法行為を原審同様に認定したが,被控訴人馴こついては,国家無管責の法理によって,被控訴人会社らについては,民法724条後段の除斥期間の経過により,いずれも請求は認められない。

被控訴人らの安全配慮義務違反については,被控訴人会社らについては,安全配慮義務違反を認めたが,被控訴人国に対しては,安全配慮義務違反を認めなかった。しかしながら,被控訴人会社らについても,時効が成立しており,請求は認められない。

また,日中戦争の遂行中に生じた中華人民共和国の国民の日本国又はその国民若しくは法人に対する請求権は,日中共同声明5項によって,裁判上訴求する権能を失ったというべきである。
(2)戦後の不法行為について

ア戦後の原状回復義務違反の不法行為又は保護義務の債務不履行について控訴人らが賠償を求める損害は,本件強制連行・強制労働によってもたらされたものというべきであり,上記各義務の不履行によって新たに生じたものということができないから,いずれも理由がない。

イ被控訴人らが真相を隠蔽し,証拠資料を廃棄処分するなどの行為については,控訴人らが本件強制連行・強制労働から解放され,違法状態が終了した、後に,控訴人らの被害の回復のため将来の訴訟に備えてその証拠資料を保存すべき義務があるとは認められない。

ウ ILO29号条約による刑事制裁義務を解怠し,積極的にこれを免れようとした行為については,ILO29号条約に基づく被控訴人国(b義務は,相手方である締約国に対する国際法上の義務であり,仮に刑事制裁措置を執らなかったとしても,控訴人らの権利ないし利益を害するものではない。また,国家が刑事制裁を課すか否かについて控訴人らに法的利益はない。

なかったとしても,控訴人らの権利ないし利益を害するものではない。また,国家が刑事制裁を課すか否かについて控訴人らに法的利益はない。

・強制労働に同様に従事していたという者までが,死者を追悼する権利を有するとは認めがたい。また,虚偽の国会答弁によって控訴人らの名誉を侵害した行為については,名誉を侵害したものとは認められない。

オ持帰金未清算及び隠匿による不法行為について
(ア)持帰金未清算問題についての事実認定
戦後,控訴人ら中国人労働者に対して賃金を支給することになったが,日本から中国への持帰金は1000円に制限され,1000円を超える部分は海運局において保管されることとなった。しかも,持帰金についても,為替を組み,帰国後,横浜正金銀行天津支店で換金される手はずとなっていたが,控訴人らが帰国したときには,同支店は閉鎖されており,控訴人らは,持帰金を受け取ることができなかった。

(イ)控訴人らは,被控訴人らが,持帰金や保管金の清算義務を果たしていないこと,未払賃金等の支払を持帰金にすり替えたこと,統制会・正金銀行宛て送金において適切な対応をとっていないこと,賃金持ち帰りを妨害したとと,持帰金を隠匿したこと及び持帰金,保管金の存在を控訴人らに知らせず放置したことを主張するが,これらが不法行為を構成するものとは認められない。
(3)予備的請求について

ア予備的請求の要旨
予備的請求は,,被控訴人らが,控訴人らを強制連行し強制労働を強いたにもかかわらず,戦後虚偽答弁を繰り返し,控訴人らの名誉を殿損した不法行為につき,裁判所が広告し,その費用を被控訴人らに負担させようとするものである。

イ被控訴人らの行為が控訴人らの名誉を殿損するものではないことは,上記(2)エの判断と同様であり,理由がない。

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