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弁護団声明

1 本日,最高裁判所第一小法廷(才口千晴裁判長)は,日本軍によって「慰安婦」とされた中国人被害者らが,1996年,日本政府に対して損害賠償を請求した訴訟(中国人「慰安婦」第二次訴訟)において,上告人らの請求を棄却する判決を下した。

2 本件は,中国山西省において,旧日本軍が当時13歳と15歳の中国人の少女を強制的に拉致・監禁し,継続的かつ組織的に性的暴力を加えた事案である。
本判決は,上告人らの損害賠償請求権について,日中共同声明により個人の請求権は「裁判上訴求する権能」が失われたものであると判示した。

しかし,日中共同声明の解釈は,本来二国間の一致した解釈によるべきであるところ,日本国側にのみ立った不公正な判断である。また個人の賠償請求権の放棄 を明記していない条約の文言解釈にも反するもので,到底受け入れることはできず,極めて不当なものであり断固抗議するものである。

3  もっとも本判決は,本日判決された西松強制連行事件と同様,個人の賠償請求権につき,その権利は実体的には消滅しないと判示した。これは,個人の賠償請 求権につき,裁判上訴求する機能のみが失われたとするものであり,個別具体的な請求権について,債務者側において任意の自発的な対応をすることは何ら妨げ られないものである。

4 この点,日本政府も,二国間条約で損害賠償問題は解決済みであるとの主張しながらも,「慰安婦」の問 題について解決されていない問題があると認め,1993年,河野洋平官房長官の談話(以下「河野談話」という)において,被害者に対して事実を認め謝罪を し,適切な措置をとることを表明した。

そして,日本政府は,「慰安婦」問題につき「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」を設置したが,同基金によってすら中国人被害者に関しては何らの措置もとられていない。

したがって,本判決で損害賠償請求権が裁判上訴求できないからといって問題が解決されたわけではなく,未だ河野談話の見地にたって解決されなければならないことにかわりはない。

しかも,それは過去の戦後処理の問題ではなく,被害者らが今なお苦しみの中で生きており,まさに現代において速やかに解決すべき課題である。

5 近時,アメリカ連邦下院における対日謝罪要求決議に現れているように,国際社会は,被害を受けた女性の尊厳と人権の回復のための真の措置をとるよう日本政府に強く迫っている。

これに対して,安倍晋三内閣総理大臣は「河野談話」を承継すると表明し,また訪米前には,いわゆる「慰安婦」問題は女性達の人権を侵害した問題であり,日本にその責任があると述べた。

しかし,今,日本政府に問われているのは言葉ではなく行動である。真に河野談話を承継し,また女性達の人権を侵害した問題であると理解しているのであれば,なによりもまずそのことを行動で示すべきである。

6 本件判決は,それぞれ上告人らが旧日本軍により強制的に拉致・監禁され継続的に性的暴力を受けたという中国人被害者らの被害の事実を明確に認めている。
日本政府が真に河野談話を承継するのであれば,まず上記加害と被害の事実及び責任を認めるべきである。そして,被害者ら一人一人が納得するように謝罪をし,その謝罪の証として適切な措置をとるべきである。
私たちは,日本政府に対してこれら被害者らの要求の実現を求めるとともに,これらの要求が実現されるまで戦い続ける決意を表明するものである。

 2007年4月27日

中国人「慰安婦」事件弁護団
中国人戦争被害賠償請求事件弁護団

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