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海南島「慰安婦」裁判のこれから~~医師によるPTSDの診断

現在、東京高等裁判所で係争中の海南島戦時性暴力被害訴訟は、最後の「慰安婦」裁判といわれています。「慰安婦」問題の全面解決のためにも、とても重要な裁判だと思います。地裁判決で認定された事実の中には、原告女性たちがPTSDにあたる症状に悩まされている事実は認定されましたが、医師の診断書が出ていないことから、PTSDとの判断はできないとされました。


控訴審では、この訴訟は、昨年4月27日の中国人の請求権は日中共同声明により放棄されたとの最高裁判決には拘束されないことを証明するために、日中共同声明のその時点では、被害として認識されていなかった原告女性たちのPTSDという被害を医学的に、論理的に説明することが課題となっています。そこで、精神科医にPTSDの診断をしてもらうことが大きな目標となり、昨年3月と6月の2回にわたり精神科医野田正彰氏と被害女性たちとの対面が実現しました。

野田氏の診察により、予想以上の精神的被害が明らかになりました。「破局的体験後の持続的人格変化」(国際的な疾病基準による)という診断が6人中5人に対してなされました。これは、ナチスドイツ下でのホロコーストからの生還者に見られるような、きわめて深刻な精神症状を呈するもので、症例も多くはありません。同氏の診断によれば、被害女性たちの精神被害は今もなお「燃えさかっている」状態にあり、悪夢を見たり、深夜目が覚めて眠ることができずに家族にも気づかれないようにベッドで朝を待つような生活がなお続いているということです。

海南島裁判の弁護団は、この数少ない症例である「破局的体験後の持続的人格変化」について、現在多数の国内の精神科医のほか、PTSDのバイブルともいわれる書物を執筆しているジュディス・ハーマン氏など、さまざまな方からアドバイスを受けているということですが、やはり、当の被害者らの生活史を丁寧に調べなければ判断できないとの意見が多数なのだそうです。


今後、裁判所に対しては被害女性らの再度の聞き取りと共に、彼女らの過去の精神状態を知るための周囲の方たちの聞き取りも不可欠になることを伝えていき、この事件のもたらした被害の実相を明らかにしたいと考えています。

高裁の裁判長がこの春に替わりました。この交代によって裁判が良い方向に向かっていくように、祈りつつ、働きかけていくことになります。みなさんの応援をぜひよろしくお願いします。

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