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海南島性暴力訴訟の現状(2002年6月10日)

五月二十一日~二十七日、弁護団とスタディーツアーの一行は海南島を訪れました。今回は原告の法廷での尋問に代わるビデオ収録を目的としました。また、被 害に巻き込まれる前の平穏な生活のことや、監禁状態を解かれた後の状況、特に周囲からどのように扱われたか、どのような非難を受けたかなどについても厚く 聞きました。この中で、事件前までは何人もの男性からの結婚の申し出を受けていたある原告が、慰安所から帰された後唯一結婚を申し込んできた男性が麻風病 患者(らい病)であった人だったという話も初めて出てきました。この聴取には山東テレビが来ていましたが、原告がこの話の部分は放送しないで欲しい、とコ メントをつけたこともその置かれた立場を推測させるものでした。六月十九日の裁判では、国が戦後の回復措置を執るべき義務の根拠、戦後の回復措置を採らな いままの放置が原告らにどのような被害を与えたか(特に名誉について)、について書面で明確にします。(BS)

海南島性暴力訴訟の現状(2002年4月10日)

三月十三日、第二回口頭がありました。海南島事件においては、戦中の日本軍の性暴力それ自体を不法行為として損害賠償請求をするものではなく、拉致監禁下 での強姦・輪姦行為を受けた被害者らが、その後も長く「日本人の女だった者、日本軍に協力した者」という汚名を着せられ、自分だけでなく夫、子、孫までが その罵りを受け続け、差別・非難されて、人間の尊厳性を傷つけられてきたことに対する救済がなかった、その不作為を不法行為として準備書面では構成してい ます。 これまでの「慰安婦」訴訟とは異なる構成であるため、そのことを明確にすべく今回の口頭弁論では、訴状・第一次準備書面を敷衍して第二次準備書面 として主張しました。裁判所からは、その際の戦後の不作為が行政不作為であることについて確認的に釈明を求められました。たしかに立法不作為も考えられる が、弁護団としては当面は直截の行政不作為の主張を展開していくことにすることを明らかにしました。不作為構成に伴う、(不作為をしたことが義務違反に当 たる)所管庁、公務員の特定を今後行うとともに、戦後の侵害事実についての肉づけを行っていくことが今後の課題です。五月二十一日から二十七日まで、弁護 団が再度海南島へ赴き、原告らの聞き取りと、尋問ビデオを作成する予定ですが、このときに海南島スタディーツアーも企画されており、参加者を募っていま す。(BS)

第一回口頭弁論(2001年11月28日・東京地裁103号法廷)

11月28日、第一回弁論が開かれました。大きな法廷がほぼ埋まる傍聴人(老若男女と多層で新顔の方も多数)が集まりました。

まず、原告黄有良さんが証言台に立ち、戦中自分の受けた被害とこれにより今も残る心の傷(PTSD)、戦後から続く周囲の非難や蔑視の状況、そしてこの訴 訟に求めるものが「名誉と尊厳の回復」であり、今日この場に来られなかったほかの7人の原告の願いであることを自分の言葉で話しました。黄さんの話す黎語 から北京語に、北京語から日本語にと二重の通訳を介しました。その後、原告側代理人から、事実についての認識を裁判所に持ってもらう意味で「海南島原告ら の被害の状況」とについて八人の原告の被害事実について凄惨・衝撃的ないくつかのエピソードをあげて紹介しました。続いて「海南島侵略の歴史」とこの訴訟 の法律的構成について、具体的には性暴力被害についての不法行為責任を問うのでなく、戦後原告らの名誉回復が図られてこなかったことにより受けた原告らの 被害の救済を求める訴訟であることを法廷で明確に伝えました。さらに、この訴訟の持つ意義について。原告側のアピールは二時間弱を要し、終わったときに傍 聴席からは拍手がわき起こりました。

この後、原告側から被告代理人に対して『事実についての認否』を行うよう要求をしました。これに対して被告側は「その要求について書面で出してしてほし い」と。この迂遠な要求に対しては、裁判長が「口頭で要求のあったことを裁判の記録にとどめます」と。そして、事実の認否ができるかの回答を求めると被告 側は「即答できない」を繰り返し、業を煮やした(?)裁判長が被告側に実のある回答を促し、傍聴席からヤジが飛ぶという一幕もありました。裁判所は第一回 目を見る限りではフェアな立場にあるという印象でした。被告側からの答弁書は比較的詳細に書かれ、原告側の今までの戦後補償とは異なる「戦後なすべき名誉 回復を怠ってきた不作為による不法行為」との原告の主張について、戦中の不法行為が前提となっての名誉回復であり、国家無答責という従前の論点が出てくる のではないか、という指摘もありました。法律論は、原告側としても今後詰めていく大きな課題ではありますが、今回伝えるべき点は裁判所に伝えきった、とい う第一回目の裁判でした。(弁護士 杉浦ひとみ)

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