Home > 平頂山訴訟 > 平頂山事件最高裁決定と戦後補償裁判への影響

平頂山事件最高裁決定と戦後補償裁判への影響

本年5月16日、最高裁第三小法廷において、平頂山事件の上告棄却決定が言いわたされました。他の戦後補償裁判ではすでにいくつか最高裁で上告棄却決定は 出ていますが、私たちが担う中国人戦後補償裁判では初の最高裁決定です。平頂山事件弁護団としては忸怩たる思いで一杯ですし、今後、司法的解決ではない方 法によって、いかに原告らの要求を実現してゆくかに心血を注ぎたいと考えていますが、それとともに、今回の最高裁決定が他の裁判に対して与える影響も真剣 に考えなければなりません。平頂山事件の一審、控訴審判決は,戦前の加害行為について国は責任を問われないという、いわゆる国家無答責(国家無責任)の法 理で敗訴しました。この国家無答責の法理は,戦前の国の加害責任を問う他の戦後補償裁判でも重要な論点となっています。ただ今回の最高裁決定は、原告の請 求を棄却したものの、その理由は憲法違反、判例違反に該当しないという抽象的なもので、国家無答責の法理について明確な判断は避けました。明確な判断を避 けたことをどう考えるのかは色々な意見があるでしょうが、私たちは、最高裁ですでに判断が固まっているわけではなく、あくまで事件ごとに判断している段階 だと考え、今後も国家無答責の法理の壁を破るため、理論面を含め検討を深めてゆきたいと思っています。(弁護士 泉澤 章)

Home > 平頂山訴訟 > 平頂山事件最高裁決定と戦後補償裁判への影響

検索
解決へ向けた取り組み
おすすめ書籍

Return to page top