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8・4チチハル遺棄化学兵器被害事件第1回口頭弁論の報告

 2007年6月6日、8・4チチハル遺棄化学兵器被害事件第1回口頭弁論が行われました。
被害者の代表として、陳栄喜さんと王磊くんが来日し、意見陳述をしました。陳さんは、当時小学生だった娘と共に被害に遭い、その後、事故により夫婦関係が悪くなり妻とも離婚してしまったこと、その事実を深い傷を抱えた娘になかなか言い出せなかったことなど、苦しい胸の内を語りました。王磊くんは、事故によって大好きなサッカーができなくなり、中学校にも行けなくなり、思春期の若者にとって、楽しみのない毎日を送っている悲しみを訴えました。

弁護団からも、訴状の概略について写真パネルを活用して説明し、また、この事件の持つ社会的意義が語られました。その中で、特に重視されたことは、本件事件が起きた2003年という年がどのような時代であったかという点です。日本は、化学兵器禁止条約に基づき、1999年に「日中覚書」を交わし、これにより、中国国内の化学兵器を一定の期間内に廃棄する具体的義務を負いました。本件は、この覚書成立から4年以上の歳月が経過した2003年の出来事でした。しかも、この事件の後でさえ、中国国内では、遺棄化学兵器の被害事例が報告されており、もしかしたら、明日にも、別の遺棄化学兵器によって、罪のない市民が犠牲となるかもしれません。

本件で最年少の被害者は、事故当時わずか7歳であり、この事件は、子どもたちの世代が被害者となっている21世紀の事件です。弁護団は、裁判官に対し、この訴訟は過去を裁くものではなく、現在起こっている人権侵害をどう救うかという問題であることを訴えました。

毒ガスの被害は身体的な被害にとどまりません。彼らは、仕事を失い、近隣住民とのコミュニケーションを失い、家族を失い、希望を失っています。弁護団では、この事件で勝訴を勝ち取るために、こうした毒ガス被害の本質を正しく裁判所に伝えることが必要不可欠だと考えています。そのために、現地調査活動では、被害者から長時間に亘って聞き取りを行い、自宅へも訪問させてもらって、被害者の実態像に迫る調査活動を重ねています。

これからの裁判期日でも、被害者一人ひとりの全人生に亘る被害を、ありのままに伝える法廷を目指します。どうか今後とも、傍聴をお願いします!(弁護士 佐藤 香代)

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