国と企業の不法行為を認定
2月12日(火)午後2時から山形地方裁判所で、強制連行・強制労働山形事件訴訟の判決が言い渡されました。主文を読み上げただけで、わすか数十秒で終わるというものでした。
判決には原告のひとり壇蔭春さんもたちあいました。判決は「原告の請求を棄却する」という不当なものでしたが、その内容は評価できるものもずいぶん含まれています。
その一、「中国人労働者が、外出又は逃亡のできない施設に収容され、かつ衛生状態や食糧事情等劣悪な環境の下、過酷な労働を強制されたという事実
認定ができる」とし、企業ばかりか国にも不法行為の責任があると断定しました。
その二、国家無答責の法理を認めなかったことです。この事件では、国の責任を問うことができる、としたのです。
その三、国にも安全配慮義務があり、これに違反する、としたことです。強制連行・強制労働をさせた際の国の役割を詳細に分析し、国には過酷な労働を是正する義務があるのに、これを怠ったと断じています。
除斥についてはふれませんでした。
それなら原告勝訴の判決文を書いてもよさそうですが、昨年来の「最高裁判決」による「中国人の戦争賠償請求権は放棄された」という一点の理由で原告の請求を棄却してしまったのです。
これまでの強制連行事件の判決の中とくらべても原告の主張を大きく認めています。ただ、請求権放棄の条項を理由にしただけです。しかも最高裁ですら付けていた「問題解決への付言」もありませんでした。問題解決をいたずらに先送りし、ひきのばすものでしかありません。
判決の翌日、吹雪の中を山形の原告と支援者らは被告企業である酒田海陸運送へ要請にむかいました。会社は面会を拒否し、要請書の受け取りも拒否するという状況でした。
市役所も訪問し、市長にも「会社との和解の労」をとるよう要請しました。このあと、酒田商工会議所にも要請をおこないました。
仙台高裁に控訴しました
この不当な地裁判決を不服として、原告は仙台高等裁判所に控訴しました。裁判は今後、宮城にうつります。私たち「支える会」が支援している強制連行・強制労働事件の裁判はすべて高裁にうつることになります。2面で記載した全面解決へむけての弁護団の提言もあります。今後、これらの提言の実現にむけての活動とともに、仙台高裁の裁判支援の運動も強めていきたいと思います。
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