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「今こそ平頂山事件の全面解決を!-平頂山高裁判決を迎えて-」報告

5月14日午後2時30分~6時ころまで、「今こそ平頂山事件の全面解決を!-平頂山高裁判決を迎えて-」と題するシンポジウムが開催されました。100 名の会場がほぼ満員になるほどの方が盛況でした。シンポでは、基調報告、楊さんの話し及びパネルディスカッションを行いました。

基調報告は、

  1. 高裁判決の評価(泉澤先生)
  2. 平頂山事件の勝利をめざす実行委員会の歩み(沖野事務局長)
  3. 平頂山事件の最終解決の道筋(川上)

を行いました。

その後、楊さんが判決の感想を述べました。その中で、自分はこれからで学校などにも出かけていって自分の体験を語りたい、それが自分の責任であるなどと発言をして参加者に感動を与えました。

パネルディスカッションでは、南先生がコーディネーターとなり、井上久士先生(駿河台大学)、張剣波さん(早稲田大学博士課程)、川上弁護士がパネリストとなりました。内容は、

  1. 高裁判決の評価
  2. 最高裁勝利と政治的解決要求の実現をめざす今後の活動

についてでした。

高裁判決の評価については、平頂山住民虐殺の事実を明確に認定したことの意義が強調されました。平頂山事件の場合、日本政府が1932年に国際連盟で平頂 山事件を否認し、今日に至るまでその発言が撤回されていないという歴史的事実があります。高裁が平頂山住民虐殺の事実が明確に認定したことにより、国際連 盟での日本政府の発言が嘘であり、如何に欺瞞性に満ちたものであるかが明らかになりました。したがって、何よりもまず、日本政府に対して、「1932年の 国際連盟での発言を撤回し平頂山の住民虐殺の事実を認めよ」との要求を突きつけることが重要であり、高裁判決はそれを推し進めるための貴重な資料として意 義があるとの発言がなされました。

今後の取組については、最高裁判所での法廷闘争を繰り広げることとともに、政府と国会の道義的・政治的責任を追及するために、4項目にわたる政治的要求事 項を掲げて戦っていくとの方針が示されました(4項目とは、1.日本政府が平頂山事件の事実と責任を認め公式に謝罪すること、2.謝罪の証として日本政府 の費用で謝罪の碑を建てること、3.謝罪の証として日本政府の費用で平頂山事件被害者の供養のたての陵園を設置・管理すること、4.平頂山事件の事実を究 明し、その教訓を後世につたえること)。特に、前述したとおり、日本政府の国際連盟での発言と、高裁判決が認定した事実が異なることから、事実を認めさせ ること-すなわち、国際連盟での発言を公式に撤回し、高裁が認定した事実を認めよとの要求を実現させること-が極めて重要であることが指摘されました。

パネルディスカッションでは、張剣波さんがあえて「中国人の立場」に徹して、昨今の「反日」デモにも言及しながら発言しました。張さんは、戦前日本が中国 で行った侵略戦争の被害が如何に甚大であったかを具体的数字と自己の体験をもって明らかにしました。そして、それが個人によって語り継がれることにより民 族の記憶を形成し若者に受け継がれていくこと、それが今日の「反日」デモの根底に横たわっていること、「反日」の「日」とは軍国主義とその名残を意味して いることなどが指摘されました。そして、日本では歴史をきちんと伝える、とくに一般の中国人の体験や思いを伝える、他方中国では日本の多様性・多元性、軍 国主義の名残の動きとともに、それに反対し平和のために戦っている人々がいることを伝える、それにより日中間の市民レベルでの信頼関係が構築されていくこ とにより、「和平と和解」が実現すると言うことを話されました。

井上先生は、歴史学者の立場から、判決の事実認定について一定評価できるもののいまだ未解明な問題がたくさんあること、裾野の広い歴史研究をすすめること が国民の中の歴史認識が形成さることに寄与し、それがまた裁判の勝利や政治分野での最終解決に寄与するということが述べられました。

会場からも積極的に発言がありました。特に、20代の若者らが、楊さんに対して、自己の辛い体験を語ることに対して感謝の気持ちを伝えるとともに、それを 若者の中でも広げていきたいとの発言がありました。それには、楊さんも感動し涙を流すとともに、参加者らにも深い感動を与えました。

最後に、参加者一同で、9月16日(平頂山事件が起きた日)に日中共同シンポジウムを撫順で行う予定になっていますが、それまでに要求事項の実現に賛同し支援する「賛同人」を募ること、ビデオ上映や学習会など平頂山事件の事実を広げる活動を展開する旨のアピールが読み上げられ、拍手で確認してシンポは終了しました。

参加者からは、「大変おもしろい内容でした。ありがとうございました。」などの感想がよせられました。敗訴判決を受けた翌日にもかかわらず、「何か負けた 判決を受けてとの集会とは思えないほど積極的な内容のシンポでしたね」との感想がよせられるほど、参加者らの意気の高い集いでした。今後の取組の方向性を 明確に示しそのための具体的な内容を確認しあった大変充実したシンポでした。
(文責:川上詩朗)

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