Home > 強制連行訴訟 > | 新潟 > | 新潟訴訟 > 声明(新潟訴訟弁護団)

声明(新潟訴訟弁護団)

本日、東京高等裁判所第23民事部は、中国人強制連行・強制労働新潟訴訟事件について、国と企業であるリンコーコーポレーションに対して賠償責任を認めた一審の新潟地方裁判所の判決を覆し、中国人被害者側の請求を棄却する判決を言い渡した。

この判決は、新潟地裁の判決が「極めて悪質」、「人道上およそ許されない」とまで弾劾した強制連行・強制労働の残虐な事実を認めながら、「国家無答責」、 「除斥」、「時効」を口実に被害者の切実な願いを排斥したものであり、裁判所が法の使命である正義を無視し、司法の独立と良心を放棄したものと言わざるを 得ない。

当裁判所の事実認定において、「警察の援助を受けながら監視をし、厳しい気候の中、食事や衛生状態等も極めて劣悪な環境下で暴力も用いて、過酷な労働を強制した」ことなどを認め、国及び企業が被害者らの身体・自由等に関わる権利を違法に侵害したことを認定した。

また、安全配慮義務についても、「1年余りの期間中に新潟港に移入された中国人労働者901名のうち、159名が栄養失調や呼吸器疾患等を原因として死亡し、905名が栄養失調に関係のある疾病に罹患した。」という事実を認め、安全配慮義務違反を認定した。

しかるに、国の責任については、戦前の国の違法行為については国は損害賠償責任を負わないという国家無答責、20年間の時の経過という除斥期間という形式 的な理由によりこれを否定した。また、企業の責任については、不法行為がいかに悪質であり、被害がいかに深刻であっても、また、事業所報告書の虚偽記載、 外務省報告書の焼却、国会での虚偽答弁など悪質な証拠隠滅行為があっても10年の経過により時効消滅するとの結論は左右しないとの極めて不当な判断を下し た。

およそ、人権を蹂躙する残虐な行為は、いかに戦争中に行われたものであっても、「時の壁」はないものとして、厳しく加害者の責任が追及されていることは世 界的な常識である。日本政府がILOから再三再四にわたって非難され、適正な解決を要求されており、慰安婦事件においても、日本政府が事実を覆い隠し、真 の謝罪と賠償をなすべきことをアメリカの議会等で問題にされていることもその現れである。

過去の犯罪的残虐行為に対して、その事実を真摯に認め、謝罪し、賠償することなしに、アジア諸国との真の友好も日本国の新しい出発もない。

新潟地裁判決が、「極めて悪質」「人道上およそ許されない」とまで断罪した国とリンコーコーポレーションの不法行為の重大な責任を見つめ直し、最高裁判所が良心と独立の立場を貫くよう要求し、われわれは最後まで真実と正義が貫徹されるまで闘い続けることを決意する。

国とリンコーコーポレーションは、強制連行・強制労働の不法行為の事実が認定されたことを真摯に受け止め、上告審の結果を待つことなく、中国人強制連行・強制労働の事実を認めて、被害者に対して謝罪をするとともに、その解決のための具体的な措置を講ずるよう要求する。

われわれは、全国各地の中国人強制連行強制労働事件の弁護団、中国律師、被害者らと協力し、国及びリンコーコーポレーションが事実を認め、中国人被害者に対する謝罪と賠償を行い、全体解決がなされるまで闘うことを宣言する。

2007年(平成19年)3月14日

中国人強制連行・強制労働事件新潟訴訟原告団
中国人強制連行・強制労働事件新潟訴訟弁護団
張文彬裁判を支援する会
中国人戦争被害者の要求を支える会新潟県支部

Home > 強制連行訴訟 > | 新潟 > | 新潟訴訟 > 声明(新潟訴訟弁護団)

検索
解決へ向けた取り組み
おすすめ書籍

Return to page top