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強制連行長野訴訟判決に対する声明

1 本日、東京高等裁判所第19民事部は、「中国人強制連行・強制労働裁判長野訴訟」控訴審判決を言い渡した。

2 本件は、第2次大戦中、日本政府と日本企業が共同して、中国人約4万名を日本国内各地に強制連行し、重労働を強制して、多数を死傷させたという重大な非人道的行為について、長野県木曽郡三岳村、王滝村、上松町及び下伊那郡平岡村の水力発電工事現場に強制連行された被害者のうち7名(うち2名は遺族が原告として提訴)が、国と鹿島建設、大成建設、飛島建設、熊谷組の4企業に対して謝罪と賠償を求めた裁判である。

一審長野地裁は、2006年3月10日、原告らの請求を棄却する判決を言い渡したが、これに対し、原告らが控訴し、本日の控訴審での判決を迎えた。

3 本日の判決は、一審判決に続いて、強制連行・強制労働の被害事実を詳細に認定し、これを国と企業の「共同不法行為」であると認めた。

また、企業に対しては、一審判決と異なり安全配慮義務違反を明確に認めたという前進面はあるものの、国に対しては、安全配慮義務違反を認めなかった。

その上で、判決は、2007年4月27日最高裁西松判決の判断に沿って、中国人被害者らの戦時賠償請求権は、日中共同声明に基づいて放棄された、としてすべての請求を棄却した。国に対する国家無答責の法理が適用されないこと、及び不法行為責任及び安全配慮委義務違反に基づく責任についての時効・除斥期間の不適用については、いずれも判断を回避している。

この様な内容の判決は、「請求権の放棄」という最高裁の論理に安易に追随した、極めて不当なものであると言わざるを得ない。

4 しかし、本日の判決においても、強制連行・強制労働の被害事実については、本件強制連行・強制労働は、国策として遂行されたこと、企業は労働力の利用自体によって相応の利益を受けた上、補償金まで取得していること、被害者らの被った精神的・肉体的苦痛は言語に絶するほど大きなものであったこと、など本件事案の非人道的行為による重大な人権侵害の事実を認定していること、そして企業には信義則上中国人労働者の安全に配慮する義務があること、企業に対する賃金相当の不当利得請求権が現在も存続していること、そして国及び企業に対し「自発的な対応の余地がある」として自主的な解決に触れていることは、極めて重要である。
  このように、本件判決が、国及び企業に対する実体上の請求権を否定していなかったことは、今後の国及び企業に対する全面解決の足がかりになり得る意義を有するものである。

5 本件は64年以上前の重大な戦争被害であり、本件の被害者らはすでに高齢化し、亡くなられた者も多く、現在生存被害者は1名だけである。本件は、一刻も早い全面的な解決が必要不可欠である。われわれは、国・企業に対し、引き続き、本件の全面解決に応じるよう求めるものである。

われわれは、すでに、本件の全面解決のために、国・企業の資金拠出によって基金を創設し、被害者への賠償と日中の平和友好事業を実施するという構想を発表している。日本にとっては、戦時中の加害行為について謝罪し、賠償をなすことこそが、平和主義を掲げる国家として進むべき道である。

本件の全面解決は、日中両国の今後の友好関係の発展にとって、礎となるべき重要性を持つものである。長野県では、81市町村のうち、30以上の自治体で全面解決を求める意見書が採択されるなど全面解決は世論でもある。

われわれは、今後とも、日中両国、そして全世界の心ある人々と手を携え、本件の全面解決に向けて闘いを進める決意である。

2009年9月17日
中国人強制連行・強制労働裁判長野訴訟原告団
中国人強制連行・強制労働裁判長野訴訟を支援する会
中国人強制連行・強制労働裁判長野訴訟弁護団

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