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強制連行北海道訴訟報告

控訴審の第5回法廷は、2月20日、札幌高等裁判所で開かれました。
 控訴審で、当方は新たな証拠調べを求めていました。最も力を入れていたのは、旭川近郊、旧東川村の地崎組の築堤作業現場の検証申立でした。期日間に、国とわれわれ弁護団との間で、検証の必要性に関する意見書の応酬をしておりました。

国は、労働現場といっても、時間が経過してみるべきものはないうえ、これは一種のパフォーマンスで、実益はないという趣旨の主張をしています。

当方は、控訴審裁判所が中国人強制連行被害者の被害実態を実感するためには、強制労働をさせられた現場に裁判官が実際に立ち、その労苦に思いをしのばせる必要があること、現地に築堤の名残があり、宿舎など、場所的な指示も可能であることを強調しました。

結局、この検証については、実施するともしないとも決まらず、棚上げのまま持ち越しとなりました。棚上げとはいえ、明確に証拠調べが排斥されたわけではありませんので、いずれ実施される可能性を残しています。ただ時期的には、厳寒の時期でないと意味が薄いので、冬を待つということになります。

この日、弁護団から時効に関する準備書面を提出しました。時効に関しては、第1審のときから、重要論点として繰り返し論争をしてきました。これまでも戦後補償裁判に時効制度は適用すべきではないという論陣を張ってきたのですが、あらためて、国家の行った戦争犯罪に対し、時効制度を適用することの誤りを主張することにしました。

また、控訴審では、しばしば裁判所は、証拠調べは第1審で尽きていると述べ、新たな証拠調べを採用しないことがありますが、札幌高等裁判所は、いくつか、新たな証拠調べを決定しました。まず、中国人学者である居之芬先生の証人尋問です。

居之芬先生は、現在、中国社会科学院近代史研究所の副研究員を務めており、日本による中国華北地方における物的・人的収奪の実態及びその方策(収奪における日本の各機関の役割、計画立案の内容等)等をテーマとして研究している先生です。

居先生が編集に係わった書籍「日本略奪華北強制労工档案史料集(上・下)」や、論文「太平洋戦争勃発後,日本が華北労働者を強制連行し虐待した犯罪行為を論ず」は裁判所に証拠として提出されています。強制連行を専門的研究分野とする居先生には、単に史料を読むこととは異なり,実際に法廷で証言することにより、貴重な史料に光を当てて、強制連行の実態を立体的に浮かび上がらせ,裁判所により深い事件の理解を促すことを強く期待しております。

ほか、第1審では取調できなかった原告の中から2名、代表として選んだ劉致中さん、王洪書さんの2名について、原告本人として尋問を実施することが決定されました。(中国人強制連行事件北海道訴訟を支える会ニュース第28号より要約)

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