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生の靖国問題

靖国神社第6代宮司だった松平永芳氏が7月10日、病院で死去したことを新聞各紙は小さく報じたが、まるで松平氏の遺言によって設置されたが如く、靖国神 社・遊就館前の広場に東京裁判で只一人判決に反対したインドのパール判事を顕彰する石碑が6月25日に完成した。

なんとなれば彼は『「すべて日本が悪い」という東京裁判史観を否定しないかぎり、日本の精神復興はできない』と考えていた陸上自衛隊一等陸佐だった男である。

パール判決書は、過去の「大東亜戦争」を肯定する人々によって、日本無罪論」の代表的見解として流布されてきた。遊就館展示室にはパール判事の大きな写真 が飾られ、A級戦犯は昭和殉難者だという解説文がある。しかし、パール判事は必ずしも「日本無罪」といっているのではない。「東京裁判ハンドブック」

松平氏が『諸君』(92年12月号)に執筆した『誰が御霊を汚したのか』を最近読んで判ったことがある。 一つは『合祀するときは、昔は上奏してご裁可をいただいたのですが、今でも慣習によって上奏簿を御所へもっていく。』ということである。68年にA級戦犯 14人の祭神名表が厚生省から送付されていたが10年間「宮司預り」となっていた。すなわち、東条英機首相の補弼によって「大東亜戦争」開戦の詔書を出し た昭和天皇であったが、さすがに合祀は裁可しなかったということである。もう一つは松平氏が『9月の少し前でしたが、「まだ間にあうか」と係に間いたとこ ろ、大丈夫だという。それならと千数百柱をお祀りした中に、思いきって、14柱をお入れしたわけです。』と1978年10月、東条英機元首相らA級戦犯 14人の合祀を強行したことである。

A級戦犯の合祀を正当化し、東京裁判を否定すればするほど中国、韓国などアジアのみならず現在、欧米諸国からも批判が強まっている靖国神社への小泉首相の参拝は中止すべきである。(長谷川順一)

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