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第20回:丹東

八月、北朝鮮との国境にある丹東をはじめて訪れた。大連からバスで五時間ほど。大連から丹東への高速道路は途中まで完成している。全線完成すればもっと便利になるだろう。

丹東の駅前広場には、今やあまり見かけなくなった巨大な毛沢東像がそびえている。二十年ほど前、重慶の駅前に大きな毛沢東像があったように記憶しているが、今もあるだろうか。

丹東の町のなかにはタバコ、政治指導者のバッジ、切手、朝鮮ニンジンなど北朝鮮グッズを売っている店がいくつかあった。朝鮮料理店も少なくない。その多くは朝鮮族の経営ということだった。

鴨緑江には鉄道橋がかかっていて、対岸は新義州である。河口近くなので川幅はかなり広い。川岸に遊歩道があり、公園のようになっていた。遊覧船があって、 対岸近くまで行ってくれる。観光用のモーターボートもある。遊覧船に乗船し、川から丹東を見ると、ビルが建ちならび貿易や漁業で発展している様子がよくわ かる。

対岸に目を移すと、護岸工事など施されておらず、自然のままである。河原で子どもたちが水遊びをしていた。その向こうは林のようになっていて、さらにその奥に工場のものであろう煙のでていない煙突が見えた。

鴨緑江から眺める両岸の風景は、まるで違う二つの世界であった。お互いに毎日どんな気持ちで対岸を見ているのだろうか。丹東で会った中国人は、向こう岸の 人びとに対しなかば同情、なかば見下しているような印象を受けた。国境を越えて、そして三八度線を越えて人びとが自由に行き来できるようになる日は、いつ 来るのだろうか。(井上久士)

鴨緑江より中国側(丹東)を望む。 鴨緑江より中国側(丹東)を望む。
鴨緑江より北朝鮮側を望む。 鴨緑江より北朝鮮側を望む。

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