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第17回:神様になった毛沢東

昨年8月陝西省北部(陝北)に行く機会があった。日中戦争時期、さすがの日本軍も黄河以西のこんな奥地まで占領することができなかったので、この辺りは中 国共産党の根拠地だった。陝北の中心都市・延安には中国共産党の本部があった。毛沢東を初めととする共産党の大幹部たちは、救国の使命感と将来の権力奪取 へむけての野望を抱きながらここで活動していた。

その延安からずっと北の横山県の片田舎にそれはあった。毛沢東ら共産党幹部がまつられている廟である。幹線道路から分かれて悪路をかなり行ったところに、 かなり大きな道教寺院がある。境内にはいくつかの建物があるのだが、小高いところにある比較的新しい建物、懐英閣と名づけられたその廟には毛沢東ら共産党 の幹部がまつられていて信徒の信仰の対象になっているのだ。ご本尊のように毛沢東主席が足を組んですわり、その両脇に朱徳総司令と周恩来総理がひかえてい る。別の建物には劉志丹や高崗といった地元幹部もまつられている。

横浜中華街にある関帝廟も実在の人物であった関羽をまつっているのだから、道教で歴史上の偉人を神様にしてしまうのは別に珍しいことではないのかもしれな い。日本だって菅原道真公が天神様になっているではないか。しかし共産党の、しかも中華人民共和国建国の元勲たちも平気で神様にしてしまうのは、さすがに 中国である。まさに「マルクス主義の中国化」だ。そういえば、以前上海で買った毛沢東の写真がプリントされたTシャツにはこう書いてあった。「同志諸君、 私は神ではない、人間だ!」。(井上久士)

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