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第16回:屋台

中国人は概してにぎやかに食事をする。中国語の熱閙(ラーナオ)は愉快に過ごすという意味があるが、本来はやかましいということだ。やかましく騒いでみん なで食事をする、これこそ愉快に過ごすことなのだ。お上品にもみじの葉っぱなんぞが載った懐石料理を静かに口に運ぶ、こんなのは中国人にとって楽しくもな んともないのである。隣のテーブルのお客さんなんか気にせず大声で話す、乾杯をする、共通の皿を各自の箸でつつく。もちろん食事中は禁煙などという文明的 マナーなど気にしない。灰皿がなければ吸いがらは床に捨てて、足で踏んづける。

しかしものには限度というものがあるので、レストラン内では中国人もやはり少し遠慮する。だから親しい仲間と楽しく過ごすには、屋台が最高ということになる。第一、そちらの方がずっと経済的だ。

中国のほとんどどんな町でも夜市があって、屋台が夕方から夜ふけまで営業している。個人経営なので客の呼びこみに熱心なことが多い。粗末な椅子に腰かけ、 お客はみんなガンガン食べて、大声でしゃべる。ビール瓶をラッパ飲みする。かけ合いのジャンケンのようなゲームをする。負けた方は白酒(パイチュウ)のグ ラスをほす。カーネーションやバラの花を手にした花売りの少女が来る。ギターをかかえた流しの歌手が来る。乞食が来ることもある。私は熱閙で気取らないそ んな中国が好きだ。(井上久士)

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