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第8回:中国の風呂屋(続き)

このコラムで前回話題にした済南の風呂屋、ちゃんとサウナ室があるのだが妙に人が少なかった。入って来てもすぐに出て行く。一緒に行った中国人の某氏も 「受不了」(こりゃたまらん)と早々に立ち去ろうとする。温度計を見ると八五度ぐらいなので、サウナとしてはそんなに熱いわけではない。私の行きつけの東 京のサウナは大体いつも105度で、そこに10分は入っていると言うと、信じられないという顔つきで「じゃあ、お先に失礼」と出て行ってしまった。

これは中国の一般的なことなのか、たまたまそうだったのか。判断材料をそれほど持っていないので即断できないが、中国人は日本人のように湯船に長くつかるという習慣がないことが、サウナにも影響しているのかもしれない。

さて頭とからだを自分で洗ったあとは、やはりアカスリを頼みたい。ベッドに横になると、三助の服務員がタオルでゴシゴシとからだをこする。おそるべきほど アカが出る。お湯でザッと流してから、うつぶせになった背中から肩にかけて、三助が両手で適度の強さでたたく。手のひらをお碗状にしてたたくから、そのポ ンポンという音が室内にこだまする。十台ほどおかれたベッドの左右から聞こえるその音が微妙に交ざり合い、さながらとびきりのジャム・セッションのようで 耳にもからだにも心地よいことこの上ない。疲れもストレスも音と一緒に飛んでいく。いやぁ、まことに「極楽、極楽」なのである。(井上久士)

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